靴下を繕っている。「ダーニング」といえば聞こえはいいが、例のマッシュルーム型の代りに電球を使っているからどうにも貧乏くさい。子供がおずおずと「お母さん、これ明日まで・・・」なんて給食費の袋を出して来そうな感じである。
立ち仕事のせいで靴下の消耗は早い。安売りのだとすぐ穴があくから、摩擦に強いと宣伝文句のあるやつを買ったのだが、さすがに半年も履けば限界のようだ。どうせ見える場所じゃないから、花模様とか凝ったりせずにシンプルなやつでちくちくやっている。
作業のお供に図書館でCDを借りてきた。エリック・ドルフィーのライブ盤と、アルゲリッチ&マイスキーのチェロソナタ集である。音楽を聴きながらの針仕事はいいですね。落語にしようかとも思ったけど、猫が騒いで話が聞き取れなくなるからなあ。うちの兄猫は話し声がすると騒ぎ出す癖がある。会話に参加しているつもりなのか。だったらひとの話はちゃんと聞きなさい。
繕い物も楽しいけれど、今履いてる靴下がいよいよダメになったら、今度は登山用のに切り替えようかとも考えている。厚手の靴下は足の疲れが少ないのだ。そういえば山に登らなくなってずいぶんになる。久々にどこか行きたい気もするが、この暑さで関東の低山はちょっとなあ。とはいえ森林限界超えるようなクラスの山は移動も大変だし体力にも自信ないし。水辺のハイキングくらいがいいのかもしれん。
などと考えながらちくちく針を動かしている。