そういえば子供の頃、

夏になるとアッパッパとかムームーとか着てる女の人多かったな。裾がばっさばさ広がって見るからに涼しそうだったし、実際涼しかった。母が子供サイズに作ってくれたのを風呂上がりに着ていたと思う。自由で楽だけどきちんとした格好ではない、まあ今ならワンマイルウエアというところか。

もっと年配になるとさらにくだけたというか、シミーズ姿で涼むお婆さんは多かった。数年前、近所のアパート前でまさにそんなお婆さんを見かけた事がある。びっくりしたぜ。一瞬昭和にタイムスリップしたかと思った。

ああいう恰好が別に恥ずかしいとかいう事もなかったのは、ご近所さん一帯が親しい間柄であったからだろう。それこそ味噌や醤油の貸し借りが当たり前で、悪さをする子がいれば親でなくても叱り飛ばした時代だ。

揉め事があると担ぎ出される人がいたり、お隣が困ってるようならお節介をしたり、細かい事を融通し合ったり、極端に言えば、国とか町とか、大きな政治とは関わりなく生活が成り立っていたように見える。

それが一概に良かったとは言えないし、でも時代遅れとも言い切れない。ここ数年「コモンの再生」へ様々な試みがなされるようになったのは、声高な自己責任論に疲れた人たちが増えてきたからかも。「困った時はお互いさま」って、聞かなくなって久しい気がする。