子供の頃から人見知りが激しい。

それを正当化する訳ではないが、友達いなくても全然平気である。

でも長い間「いろんな人と交流して人生を豊かに」するのが正しいと思って、悪戦苦闘しては自己嫌悪にさいなまれていた。元々無理なんだよ。今はすっかり開き直った。

現在職場では黙々と作業に励むわたしである。しかし自慢ではないが同僚との関係はよろしい。ここ数年でようやくコツを掴んだのである。

考えのスイッチをオフにすること。

行動に移す前に頭の中であれこれシミュレーションする癖がわたしにはあって、実際に話しかける前に、相手との予想される会話を頭の中で展開してしまうのだ。当然その通りいくはずはなく、結果自分で勝手に戸惑う事となる。

誰かに話しかける時、あるいは話しかけられる時、考えのスイッチをオフにする。すると案外勝手に言葉が口から出てくるものです。当たり障りのない、どうでもいい内容だけど、職場で別に深い話をする訳じゃない。

「会話のキャッチボール」とは言い得て妙だなとあらためて感心した次第である。キャッチボールする時は、別にコースぎりぎり攻めてやろうとか考えないもんね。ただ淡々とボール投げ合うだけで。

うまいこと言ってやろうと企むと間違いなく外すけど、こういう時にぽろっと出た言葉が意外と面白がられたりする。わからんもんです。

現在わたしが友人と呼ぶのはひとりだけ。大学時代からの付き合いだが、普段は連絡も取りあわない。でも時々は一緒に飲む事にしていて、先日も一年ぶりに顔を合わせた。昼過ぎからすっかり日が暮れるまで、話題が尽きる事はなかった。一年分喋った気がする。多分次はまた来年。