春と秋が好きだけど困るのは

その時期に着る服の事だ。冬はニットを重ねればいいし夏はTシャツ一枚でいける。でもこの中間の時期、暖かさと肌寒さが入り混じる時に着るものがないのである。

いくら冷えても季節としてはウールはどうもだし、ヒートテックも違うでしょう。綿素材の長袖シャツは、この温暖化のご時世ひと月も着れば暑くなって用なしだから、わざわざ買い足す気にもなれない。

結果半袖Tシャツに綿のカーディガンを羽織ってうすら寒い思いでいる。オシャレのセンスがある人ならそもそも悩むような事ではないだろうが。

「着たい服と似合う服は違う」という大前提にようやく気が付いた感のあるわたしである。好きなのはリネン素材のナチュラルテイスト(ちょっと恥ずかしい)だが、いざ着てみるとこれが。果てしなく寝間着。どこからみても寝間着。ワンマイルどころか玄関すら出られない雰囲気なのだ。

最近流行りの骨格診断でいえば完全な「ストレート」タイプで、じゃあそのアドバイスに従えばいいじゃねえかという事である。しかしまた問題があって、御存じのとおりこのタイプが似合うのは「上質素材とクラス感」だ。ばっちりメイクで挑まなければならんという。しかしわたしは化粧が嫌いだ。すっぴんで着られぬ服をおすすめされてどうしろというのだ。

ハリのある生地でシンプルなデザイン、という条件にしぼって服を選ぶと、最終的に無印かユニクロのメンズ服に辿りつく。性別不明年齢不詳、おじおばさんの一丁上がりである。

試着室の鏡の前で茫然とする。

まあ考えようによっては、今後新たに挑むべき課題ともいえるだろう。まずはいちパターンでもいい、似合う組み合わせを見つける。それから少しずつバリエーションを増やしていく。理論上は可能なはずだ。理論上は。