ビールの6本パックとウイスキーのボトルを買う客は、店員の目にどう映るのだろうか。
こいつ朝から飲んだくれる気だなと思われてないか、とか、つまみは別に買ってないからセーフ、とか、脳内がやかましいまま速攻で金払って帰ってきた。
職場の酒好きの同僚と、「食べ物の美味しい季節になりましたなあ」「これからは湯豆腐ですなあ」なんて会話が増えた。湯豆腐およびおでんは子供の頃はむしろ嫌いな食い物だったが、今は考えただけで頬が緩む。いいよねえ熱燗と一緒にさ。
好き嫌いの減った原因は、間違いなく酒を飲むようになったからである。忘れもしない大学一年生の大晦日、すっかり正月支度も整った部屋のテレビは「ゆく年くる年」。こたつで父と燗酒を飲みながら、初めて塩辛を美味いと思った。嗚呼偉大なるかな酒の力よ。
なんてね。単に酒好きの開き直りにすぎん。
煙草も止めたし甘いものだってそう欲しいとは思わなくなった、なのに酒だけは例外なのよねえ。まあワインならボトル一本空けてた頃より、格段に飲む量は減ってるけど。
もう少し年取ったら、お銚子一本ちびちび飲んで「ああ美味しい」なんて言ってるかもしれない。それはそれで幸せである。