認めたくはないが買い物が下手だ。

ただし日頃の買い出しは別。いつも買う物の底値はだいたい頭に入っているし、財布の中身を考えながらやりくりできる。

苦手なのはイレギュラーな買い物である。服とか、靴とか、めったにないけど大物の家具とか。

元々慎重な性格ではあるから事前のリサーチは欠かさない。いろんな商品を目がしょぼしょぼするまでネットで下調べしてから実際に店へ行って買い物に挑む。

リサーチ通りの物が手に入ればめでたいのだが、現実はそうでない事がほとんどだ。試着したら似合わないのがわかったり、出向いた店舗には品物がなかったり。

以前は何か代替品をと妥協した結果、やっぱり気に入らなくてゴミになるパターンだった。最近は「無理して買わない」をモットーにしているのだが、手ぶらで帰るのは勝負に負けた気分だ。おまけに長時間歩き回って疲れ果てている。一休みするかと思っても、繁華街の喫茶店は常に満席に近いし、わたしは混んだ店が嫌いだ。

疲労と空腹を抱えたまま、夕暮れの中を帰途に就く。既に晩飯を作る気力はない。ついふらふらとコンビニに立ち寄り、スナック菓子と缶チューハイを手にレジへ向かってしまう。もう今夜はこれでいいや。

次にそういう事になったら、買い物するはずだった金でデパ地下の美味しいお惣菜でも買って帰ろうかな、と晩飯代わりの柿ピーを食いながら思っています。