二週間に一度

図書館へ行く。たいていは四冊ほど借りる。通勤途中と職場の休憩時間用に二冊、寝る前に読む用に一冊、食後や半端な時間に読むのに一冊という内訳。

本が好き、というよりは活字中毒に近く、活字が目から入って頭の中を流れていく感覚が常にないと駄目である。

子供の頃、本好きを他所のおばさんなどに褒められるのが不思議だった。本好きイコール勉強好きというイメージで見られていたようだ。

わたしの学校の成績はたいして良くなかった。だって好きな本ばかり読んで全然勉強しなかったからね。テスト前の付け焼刃的な詰め込みで何とかしのいでいたにすぎない。

勉強が面白くなったのは大学の国文科に入ってからだ。ゼミ論も卒論も書いててとても楽しかった。それでもやっぱり、一二年生の古典の時間は寝てるか別の授業の内職をしているかだったなあ。今、能をみるようになって非常に後悔している。あの時『和漢朗詠集』の講義を真面目に受けていれば!

本が好き、特に小説が好きとはいえ、何でもいいわけではない。年を取るにしたがって、文章の好みが極端になってきた。書評などで興味を持っても、実際に冒頭の数行を読んでみないとわからないので、閉架図書だったりすると当たるか外れるかちょっとしたギャンブル気分だ。

タイトルと作者を眺めながらゆっくりと書架の間を歩くのは楽しい。手に取って、ぱらぱらと読んで、うん、と脇に抱えたりまた書架に戻したり。本に呼ばれたような気がして手に取る事もある。そういう本は間違いなく、新しい出会いの一冊となる。