後先考えず酔いつぶれるまで飲みたい

それができないのは、寝る前にしなければならない事が多いからである。

歯を磨く。最低でも二十分はかかる。

浴室の壁と床を拭く。あちこち取れないカビはあるけれど、これ以上ひどい状態にしたくないので。

生ごみを捨てる。ガスレンジと換気扇周りを拭く。シンクの掃除をする。排水口もゴミ受けも全部洗って台布巾で拭く。

就寝用のマウスピースを装着して、洗面台の水気を拭きとる。

あらためて書き出してみるとうんざりする工程だな。

毎晩の酒量がこのところ一定に保たれているのはこのルーティーンのおかげだし、きれいな水回りは一日を気分良く始めるために欠かせない。

でもなあ。時々「ああ無茶飲みしたい!」という欲求がふつふつと沸き起こるのも事実である。なんかこう、解放されたいというか。

今朝もそんな気持ちを持て余しているうちに、ふと思いついた。

三連休の中日に昼飲みすればいいんじゃねえか。

酔っぱらって寝落ちしても夕方には目が覚めるだろうから、夜のルーティーンはいつも通りできるはず。一旦崩れた生活リズムも翌日に整えればいい。これは名案。

とりあえず次の三連休に試す気まんまんだが、ここで自ら横やりをいれてしまうのがわたしの面倒くさいところである。

周到に計画された「無茶飲み」に果たして解放感はあるのか。

あらかじめ逃げ道を用意してしまうところに、小心な性格があらわれているなあ。